今日は基本的な事を考えてみましょう。
そもそも『犬の躾』とはどんな事なのでしょうか?
多くの訓練士が「しつけ教室」と称して行っている「服従訓練」とはどこが違うのか?
一言で説明してしまうと『躾と訓練では、文字が違う』という事ですね。
「何言ってんだコイツ?」って、ほんと、何言ってるんでしょうね?
『躾教室』と言いながら『服従訓練』している人達って。
そもそも、親犬は子犬を躾るけれど、服従訓練なんてしませんよね?
ここに疑問を持って欲しい。『犬の躾』とは、そもそもどんなことなのか?
私は「この怪獣に『躾』は完璧にしたい」と、いつも考えています。
そうしないと、大変なことになるのが目に見えているから。
そのためには何が必要なのか?
犬の躾とはどんなことなのか?
それを出来るだけ簡単に説明して行きます。
そもそも『服従訓練』とは『躾』にならないのか?
そう疑問を持つ方も多いと思います。
そこで考えて欲しいのが、先にも言いましたが『親犬は子犬に服従訓練をしません』よね?
見たことありますか?親犬がチョークチェーンを使って子犬に自分の前を歩かないようにしている姿。
私は見たことがありません。当然ですが。
それでは、なぜ多くの訓練士は服従訓練を必要と考えるのでしょうか?
おそらくは「それ以外を教わらなかった」からだと思います。
本題に戻りましょう。
そもそも『犬の躾』とは『親犬の子犬への愛情』であると考えます。
この子に素直で良い子に育って欲しいと願うから、親犬は子犬を躾るのだと思います。
そこに血縁は関係ありません。
我が家の犬たちには、ほとんどが血縁関係にありませんが、とても仲良しです。
つまり、犬という生き物には『血縁がなくても子育てに参加する』という何かがあるのだと思います。
そして、親犬に育てられた犬は、自分が育てられたように子犬を育てようとします。
これこそが『犬の躾』だと感じます。
ヤンチャをする元気な子犬には、程々にしないと痛い目を見る事を。
物静かな子犬には、怖がらずに自信を持って世界と触れ合う事を。
これらは本来、親犬が子犬に教える事です。
それでは、どのようにして子犬に教えるのでしょうか?
その答えは『遊び』の中にあります。
特にヤンチャな子犬には、力加減と噛んで良い場所などの『遊びのルール』を教えます。
これは、徹底的に教えられることが多いです。
さもないと、大きくなった時に手のつけられない暴れん坊になるかもしれません。
写真では首に強く噛み付いているように見えますが、実は痛くもなんともない力加減で噛み付きます。
当然ですよね?遊んでいるのですから。
痛いように噛み付くのは、遊びを知らない証拠です。
もちろん、遊びだけが親犬の躾ではありません。
トイレの場所なども教えてくれます。
子犬は親犬が排泄する場所を見て「そこがトイレである」という認識を持ちます。
なので、トイレの場所を知っている親犬がいると、子犬は簡単にトイレを覚えます。
簡単ですね。
遊びの話に戻ります。
本来、子犬は遊びながら育ちます。
それなのに『生後半年までに服従訓練を始めろ』等という人たちがいます。
しかし服従訓練では、子犬は『犬としての遊び』を覚えられません。
それはとても残酷なことです。
遊びというものは、社会を知る上でもとても大切なものです。
どこまでは許されるのか?どこからは許されないのか?
気の弱い子にはどのように接するべきか?気の強い子には?
これらのことは全て『遊びの中』から教わります。
つまり『犬の躾とは犬同士の遊びである』ともいえます。
それでは、親犬がいなければ子犬は躾けられないのか?
そんなことはありません。『自分が親犬として子犬と遊ぶ』ことで子犬は素直に育ちます。
そのためには、たくさん遊ぶことが大切です。
犬種にもよりますが『基本は子犬が満足するまで遊ぶ』ことです。
これは本当に、体力と時間が必要です。
しかし、それでもやらなくてはならない事です。
これをサボると問題行動につながりやすくなります。
何故か?
答えは簡単です『遊べない→ストレスが溜まる→イライラする→問題行動』こうなります。
それではどうすれば良いのか?
簡単ですね『たくさん遊ぶ→ストレスが溜まらない→穏やかになる→良い子に育つ』
簡単でしょ?
子犬を良い子に育てたいのならば『たくさん遊ぶ』ことをサボらなければ良いのです。
たくさん遊んで育った犬は、散歩中の引っ張りも強くなくなりますし、他の犬とも仲良くできます。
それは、ストレスが少ない環境で育っているからです。
たくさん遊ぶことによって、子犬との間に信頼関係が築かれ、問題行動を起こしにくい犬に育ちます。
たくさん遊んでください。
それこそが『子犬を良い子に育てる躾』になります。
まだまだ不安定な天気が続きます。
皆様も、体調管理に気をつけてください。
愛犬とたくさん遊ぶために。
それでは、また。