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噛みつき

さて、ロキとトールに大切な事はほとんど言われてしまいましたが、このコーナーでは一歩進んで少し怖い話をします。
犬の噛みつき行動をほっておくと、少しずつ噛む力が強くなります。 

犬は、「この位なら許してもらえる」と学習し、最後は「人は噛んでもよい」そして、遂には「人は噛みつけば言う事を聞いてくれる」となります。

ここまで来てしまうと、犬は「人よりも、犬であるボクの方が強くて偉い」と勘違いをします。この勘違いをした犬は、「全ての人間は、ボクの言う事を聞くもの」と思っています。家族はもちろん、友人などの他人にまで危害を加えるようになります。

そして、一度でも本気で人を噛んだ経験をした犬は、二度目からは「ためらう事なく」人を噛みます。対処方法としては、噛みつき行動に精通しているトレーナーを呼びましょう。決して自分だけで頑張らないように。

怖い話をしますが、柴犬のサイズで成人男性の指を噛みちぎれます

【咬みつきをさらに詳しく】

お悩み相談のトップ「咬み付き」についての話をこってりと。

最初は「恐怖による咬み付き」から説明します。理由は「一番多いから」です。小型の犬に多いですね。簡単に(乱暴に)説明すると「対人(対犬)恐怖症」です。文字通り「怖いから咬む」、これが理由です。分かりやすいですね。症状は、「けたたましく良く吠える。近づくと逃げる。後ろを向くと襲ってくる」。これらが「恐怖による咬み付き」の典型的な行動です。以前説明したことです。が、今回は、ここから掘り下げていきます。

(1)恐怖による「防衛」咬み付き
上で紹介した行動をとって、人が「手を出す」と咬んでくる犬。これが「防衛咬み」です。このタイプの犬は、基本「手を出さなければ咬まない」犬です。

(2)恐怖による「攻撃」咬み付き
厄介です。何もしていなくても、咬んできます。特に、後ろを振り向いた瞬間に、来ます。これが「攻撃咬み」です。このタイプの犬には、基本近づかない事をお勧めします。しかし、共に「恐怖咬み」ではあります。対処方法は、ほとんど同じで治ります。では、どうすればいいのか?知りたいですよね。教えます。「犬に、自信を付けさせてあげれば良い」のです。簡単ですよね、言葉にするのは。実際に治るには、程度はありますが、8回はレッスンを受けていただきます。「咬み犬」ですから。 続きまして「執着、所有欲による咬み付き」の話。2番目に多いのが、これ。

「うちの犬、ゴハン食べているときに、近づけないんです」これです。食べ物のほかにも、オモチャ、寝床、特定の人。何にでも執着はします。「お父さんの膝の上に居る時は、怖くて近づけないんです」等というのも、執着している、と言えます。咬んでくるんですよね。お気に入りの場面に犬が居ると、そこを通ることも出来ない。食事中の犬が怖い。おもちゃで遊べない。近づけない。困ります。それではなぜ、そういう事になるのか?と、いいますと・・・。一言で説明するならば「リーダーが不在」である。この一言に尽きます。

犬には「リーダー」が必要です。「必ず、必要です。絶対です。」念を押します。執着のある犬は「家族という一つの群れの中で、自分がリーダーになっている」この状態である事がほとんどです。「リーダーだから、家にある全てのものは自分のもの。」と、考えています。厄介ですね。だから、自分(犬)のものに近づくと、咬み付いて来るのです。犬は「リーダーであるボクのものに、手を出そうなんて、許せない!」と考えます。これは「リーダー不在によるストレス」も原因の一つです。対処方法は、「犬のものは、人のもの。人のものは、人のもの」と教えましょう。簡単ですね。言葉にするのは。どこかで聞いたことのありそうな感じです。詳しく説明しますと「この家にある全てのものは、私たち人のものなのだから、お前は何にも執着しなくて良いのだよ」と教えていきましょう。もちろん、最初に「私(人)がリーダーであって、おまえ(犬)は、リーダーではない」と言うことも、教えておきましょう。

この二つを教えることが出来れば、明るい未来が待っています。がんばりましょう! これでとりあえず最後です。読んでくれてありがとうございます。もちろん、最後を飾るのは「攻撃による咬み付き」。これです。一番少ないのですが、うちには「結構来ます」。さて、それでは、どのような行動が多いのか?と、いいますと、 「牙を剥く。唸る。お腹に響くような声で吠える。背中の毛が逆立つ。空咬みをする」等々。例を挙げれば、まだまだ出ますが、このくらいで。正直、一番危険な咬み付き方をしてきます。一番厄介です。「誰も近づけない。散歩も行けない。だから、病院にも行けない」とことん悪循環ですね。このタイプの犬は「リーダー不在。運動不足。社会性無し。咬み付いた経験あり」。この全てが当てはまります。厄介です。未去勢のオスに多い気がします。

「それでは諦めるのか?」と、聞かれれば、答えは、「治りますよ」です。どうするのかって?説明します。皆知りたい対処法。先ずは、「犬から、リーダーの座を奪う」事から始めます。大変ですよ。私が言うのだから、間違いないです。大変です。犬から、リーダーの座を奪うためには、「気迫で勝負」します。これが、とても疲れます。「咬み付く気ならば、容赦はしない」という強い気持ちで相手をする。これが、大切。そして、必ず「不妊手術」を受けていただきたい。犬の「発情期」が無くなれば、随分穏やかになることがあります。しかし、動物病院に行くにも一苦労。な、犬のはずですから、先ずは、相談してください。

今まで、沢山の「咬み犬」を相手にしてきました。

そして、そのほとんどが、人を咬まなくなりました。咬まなくなった犬は、その犬の家族が、私を信じてくれて、そして最後まで諦めなかったからです。彼らに感謝しています。犬の行動。それも、咬み付くというとても大変な問題を諦めないで、頑張ってくれたことに。

最後まで、長々と読んでいただき、ありがとうございました。