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躾の基本

犬の躾に1番大切なことは『犬と遊ぶこと』です。
何故ならば『親犬は子犬と遊ぶことで躾をするから』ですね。
犬を多頭飼育したことのある人ならばわかると思いますが、親犬は子犬に服従訓練をしません。
『何を当たり前のこと言っているんだ?』と思うかもしれませんが、いまだに躾と称して服従訓練をする人がいます。

そこで考えてほしいのが『服従訓練』という言葉の中には『躾』の文字は入っていないという事です。
それなのに『しつけ教室』というと、多くの人たちは『服従訓練』を思い浮かべ、それに疑問を持ちません。

勘違いしないでほしいのは、服従訓練が悪いという話ではなく『犬の躾』と『服従訓練』を同じものとして捉えていることに問題があるという事です。

それでは『躾』とは?

簡単に説明をすれば『躾とは日常でのマナー』である。
と、答えられます。

例えば、人の家族との付き合い方。トイレの場所。家族以外の人や犬との接し方などです。
これらは服従訓練では教えられません。
しかし、親犬は子犬にこれらのことを教えてくれます。
それこそが『犬の躾』だと私は考えます。

それでは親犬はどのようにして子犬をしつけるのか?

その答えこそが『犬との遊び』です。

『遊ぶ』ということは、犬との間に信頼関係を築き自分たちは家族(群れ)である。ということを学習するのに1番確実な方法です。

親犬は(たとえ血の繋がりが無くとも)子犬と遊びます。
(ちなみに、我が家の犬たちで血縁関係にあるのはアフガンの「武」くんと「ぽーら」ちゃんだけです)

そして、遊びの中から様々なことを学ばせます。
1番大切なことが『噛んで良い場所と強さ』を覚えさせること。
これを間違えると相手に怪我をさせかねません。
しっかりと覚えさせます。

それでは、どの様に覚えさせるのか?
その答えが『遊び』にあります。

遊んでいる最中に強く噛んできたら叱りつける。

これが全ての基本なのだと感じます。

このように遊びの最中に叱られることによって、子犬は自分がやりすぎたことを学びます。
当然ですが、強く噛まなければ叱られることはありません。

このような行為を人が犬を真似て行うことで、子犬は必ず良い子に育ちます。
もちろん、成犬になってからでも遅くはありません。

親犬と一緒にいた時間が長い子犬は躾が楽なことが多いです。
なぜならば、親犬がたくさんの時間を子犬との遊びに費やしてくれたからです。
我々も見習いましょう。

そして、たくさん遊んで育った犬は、遊んでくれた人や犬との間に強い信頼関係が築かれます。
信頼関係があれば他の人や犬に激しく吠えるなどの行動は無くなります。
なぜならば『信頼している存在が落ち着いているのであれば、あの存在は怖くない』と、犬は感じるからです。

なぜそうなるのか?簡単に説明します。

想像してほしいのは『お化け屋敷』です。
初めて入るお化け屋敷(とてもリアルで絶叫してしまうくらいの)に入る時に、例えば隣にいる人が警戒心丸出しでビクビクしていたら、その気持ちに引っ張られてしまうこともあります。
怖がりな(家族との信頼関係が薄い)犬からすれば、外の世界はそのようなお化け屋敷です。
(人は大丈夫でも犬がダメ。などの場合は、犬がお化けなのです)
そのような犬を連れている場合は『今日は他の犬に会いたくないな』と考えて散歩をしている人が多いです。
つまり『普段からお化けに怯えて外を歩いている』状態です。犬に「落ち着いて」といっても一緒に怖がっているのですから、落ち着けるはずがありません。

それではどうすれば良いのか?

これは簡単な事です『お化け屋敷の常連になれば良い』のですから。

周りにいるお化けはみんな私の友達だから大丈夫。と、犬に学習させるのです。
そのために必要なのが『犬とたくさん遊ぶこと』です。
たくさん遊ぶことで、犬との間に信頼関係が育まれます。
お互いに信頼関係があれば落ち着いていられます。
落ち着いていられれば観察する余裕が生まれます。
観察できれば相手が何者であるかが分かります。
相手の正体がわかれば怖くなくなります。
怖くなくなれば吠えなくなります。
簡単でしょ?

まとめると『犬と遊ぶことはお互いの信頼関係を強くする』『信頼関係が強ければ落ち着いた犬になる』

だからこそ、犬との遊びは大切なのです。
遊びとは本来『親犬が子犬に行う躾』です。
これをサボると問題行動が多くなります。

たくさん遊んで良い子に育ててあげましょう。

まだまだ暑い日が続きます。
皆さんも熱中症に気をつけてください。

それでは、また。